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経  営

経営状態を把握するための限界利益

税経管理第5部 課長 羽石

 本業での利益を表す「営業利益」や、営業利益から本業以外の利息などを考慮した利益である「経常利益」について、経営者の皆様は常に意識していると思います。しかし利益とはいっても、通常の決算書には出てこない「限界利益」をご存知でしょうか。この限界利益に着目することで、経営状態をより正確に把握することができます。
 限界利益を求めるには、まず固定費と変動費について理解する必要があります。

【固定費】~売上にかかわらずかかる費用~
 売上の増減にかかわらず、毎月定額で発生する費用を固定費といいます。例えば、店舗や工場の家賃や固定給の社員の人件費などが該当します。
【変動費】~売上の増減によって変わる費用~
 売上の増減に伴い、支払額が変わる費用を変動費といいます。例えば、商品・原材料の仕入額、時給で働いているパート従業員の人件費などが該当します。

 まず、自分のビジネスにおいて変動費と固定費の区分けを行いましょう。
 そして、限界利益は以下の式で求めます。

◆限界利益=売上高-変動費

 限界利益は売上高と変動費の差のことで、固定費回収および利益が出るかの指標となります。
 例えば、変動費合計50円の商品を100円(売上)で売った場合、限界利益は100-50で50円となります。変動費と固定費を足したものが費用の合計となるので、限界利益の50円と固定費を比べた時に、固定費の方が高ければ損失、低ければ利益となる訳です。

 基本的に変動費はコントロール可能ですが、毎月定額でかかる固定費はコントロールできません。コロナウイルス等の影響で売上が減少した場合に、自社の固定費が毎月どれだけかかっているのかをきちんと把握しておくと、資金面において計画が立てやすくなります。

  
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