The Sky's The Limit



税 務

iDeCoの受け取り方に注意

税経管理第5部 部長 山内

将来の資産形成や節税対策として、NISAやiDeCoなどを活用している方はいらっしゃると思います。今回は、将来iDeCoを受け取るときの方法による税金の影響についてお知らせします。

iDeCoは「個人型確定拠出年金」と呼ばれ、私的年金制度のひとつです。通常の資産運用と比べ税制面で優遇(掛金所得控除・運用益非課税)されており、受け取り時にかかる税金も抑えられて(退職所得控除・公的年金控除)います。

しかしながら、受け取る方法によって発生する税額が変わってきますので、一度確認しておきましょう。

    iDeCoの受け取り方には3通りの方法があります。
  • ① 年金形式で受け取る方法
  • ② 一時金として一括で受け取る方法
  • ③ ①と②を組み合わせて受け取る方法

① 年金形式で受け取る方法

年金形式でiDeCoを受け取ったときは公的年金と同じ扱いとなり、iDeCo以外に公的年金を受け取っているときはその合計額から公的年金控除を差し引いた金額が公的年金等に係る雑所得として課税されます。

② 一時金として一括で受け取る方法

一時金としてiDeCoを受け取ったときは、退職所得となります。

通常の退職金と同様の扱いとなり、一時金から退職所得控除を差し引き、さらに2分の1を乗じた金額が退職所得として課税されます。

iDeCoを一時金(退職金)として受け取るとき、前後して他に退職金を受け取る場合には、特例を適用して控除額を計算する必要があります。

・5年ルール

iDeCoを一時金として先に受け取り、後で退職金を受け取るとき、差し引かれる退職所得控除が減額されます。ただし、退職金の受け取りよりiDeCo一時金を5年以上前に受け取れば、退職所得控除の制限はなくなります。

※iDeCoは60歳から受け取れますので、5年ルールを適用するには、65歳以降に退職金を受け取る必要があります。

・19年ルール

逆に退職金を先に受け取り、19年以内にiDeCoの一時金を後に受け取るときは19年ルールが適用され、差し引かれる退職所得控除額に調整が行われ控除が減額されます。

③ ①と②を組み合わせて受け取る方法

上記①②をそれぞれ計算した合計額が課税されます。

iDeCoで積み立てられた資産も受け取るときには課税されます。課税時には控除が受けられるので税金は抑えられますが、控除にも上限があり受け取り方や他の所得内容によっては税負担が大きくなることがありますのでご注意ください。

シロイルカのイラスト
ページの先頭へ戻る