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税 務


      
帳簿等の記録・保存と関連項目


                 税経管理第10部  伊藤 敬一

1.確定した決算

 法人税法においては、申告書は確定した決算に基づくこととされ、

また、添付書類として貸借対照表や損益計算書が規定されています。よ

って、法人税の申告にあたっても当然に記帳が前提とされ、実際におい

ても記帳の整備が必要となっています。

 したがって、確定した決算書類を作成するためには、当然に現金出

納帳その他必要な帳簿を備え、その取引に関する書類を整然と、かつ、

明瞭に記録することが必要です。

 そのために必要な帳簿の記帳や書類の整備が不備であるということ

は、法人の課税標準たる所得金額の基礎となる「確定した決算に基づく」

決算書類が不備であるということになります。したがって、確定申告書

に記載する所得金額の計算上、例えば法人が確定した決算において費用

又は損失として経理した場合に限り損金の額に算入することとされる事

項も適正に行われていないということであり、法人の課税所得金額と税

額が正確に算出されません。



2.青色申告制度との関係

 青色申告の承認を受けている法人は、いっさいの取引を複式簿記の

原則に従って、整然かつ明瞭に記録し、その記録に基づいて決算しなけ

ればなりません。備え付ける帳簿には、仕訳帳、総勘定元帳、その他の

帳簿(いわゆる補助簿)がありますが、装丁式、ルーズリーフ式、伝票

会計方式等は特に定められてはおりません。要は取引に関する事項が整

然と明瞭に記載されたものであればよいと思われます。

 この青色申告法人が、帳簿の備付け記録又は保存を所定の規定に従

って行っていない場合には、青色申告の承認が次のような事実のあった

事業年度に遡って取り消されることがあります。よって、青色申告の特

典が認められなくなりますので、課税所得金額と税額が多額になる可能

性があります。

 @ 帳簿書類の備付記録又は保存が所定の規定に従って行われてい
   ないこと。



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