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A 又、買い値が分からない(又は低く、含み益が大きい)株式につ
いては一旦売って、同一株式を買い戻すこと(クロス取引)を検討
する。つまり、昔購入した取得価額の低い株式を、源泉分離課税の
適用を受けて少ない税負担で一旦売却する。その後、同じ銘柄の株
式を再購入すれば、その再購入した価格がその株式の取得価格とな
ります。
但し、クロス取引については、租税回避行為とみなされるのでは
ないかと危惧されるが、これに関して国税庁は市場を通した次の4
パターンの取引については税務上問題ないとの見解を明らかにした。
上場株式…@立会時間内のオークション市場での取引
A立会時間外の取引(東証のToSTNeT1.2、大証のJ−
NET、名証のN−NET)で再取得が同日中に行こな
われない取引
店頭売買有価証券…BJASDAQ売買システムによる取引
Cマーケットメイクを行う証券会社を通じて
行われたマーケットメイク銘柄にかかる取
引
未公開の時点で買った株は、現在も、公開後1年以内は源泉分離は
選べず申告分離課税となります。ただ、公開日の3年以上前から保有
している株を公開1年以内に売却する場合には、ベンチャー促進のた
め、税率は通常の26%の半分の13%となる優遇措置がとられてい
ます。また今年4月から施行される改正中小企業振興法では通産省の
指定した「特別中小企業」の創業株主については株売却時の税率がさ
らに半分の6.5%に引き下げる特例が設けられました。
株式譲渡益課税を申告分離課税に一本化する方針について、自民党
の金融問題調査会が「個人投資家の株式離れが進みかねない」として、
見直しを求めるとしており、今後の動向にも注意が必要であります。