The Sky's The Limit



サ ロ ン

「ニワトリのコッコちゃん・2」

税経管理第2部 加瀬

 数年前、家に迷い込んできたコッコちゃん。元気にたくましく生きています。
毎朝3時に「コケコッコー」と元気に起きて、夜は5時までに木の上に上がります。時計なんか見ていなくても、時間はいつも正確です。規則正しいコッコちゃんを見ていると、ダラダラしている自分が恥ずかしくなります。
 庭にはいろいろな鳥が飛んできます。でもコッコちゃんは、他の鳥が飛べることをうらやましくは思っていません。自分は自分、毎日を大切に生きているし、飛べないからこそ得た幸せがあるからです。
 そしてコッコちゃんは、人が嫌がることは何一つしません。毎日を命がけで生きているから、時間の尊さをわかっているのです。

 ある日、隣の家の猟犬の鎖が外れて家の庭に侵入し、コッコちゃんを食べようと追いかけていました。泣き叫びながら逃げ回っていたコッコちゃんがかわいそうでたまらなくて、私はやったこともない日曜大工で、犬が入ってきそうな垣根の隙間にネットを張り、ネコよけのトゲトゲも敷きつめました。
 それからしばらくしたある日、夜中にコッコちゃんの悲鳴が聞こえました。私は飛び起きました。ネコかヘビに襲われたのです。コッコちゃんは、木の上から降りてしまい怯えていました。夜は目が見えないので、木から降りたらもう上がれません。何とか低い木に飛び上がりましたが、恐怖で目に涙が溜まっていました。そんなことが続けてあり、コッコちゃんはいなくなってしまいました。どこへ行ってしまったのか心配で心配で、仕事から帰ってから探し回りました。そしたら、なんと隣の家のあの猟犬の近くの椿の木の上で寝ていました。あの犬は、気配がするとものすごく吠えるのです。コッコちゃんは、それを知っていて利用したのです。犬が吠えれば小動物は逃げます。それに猟犬は、繋がれていればコッコちゃんを襲うことはないのです。感心しました。コッコちゃんは、生きていくための知恵をたくさん持っているのです。

 私は、今もコッコちゃんから色々なことを教えられます。
何も起こらない穏やかな時間が、どんなに平和でありがたいのか。そして、ごはんが食べられて、羽を休める場所があり、わかりあえる仲間がいる、それ以上の幸せはないのだと。

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