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ビール値上がり?

税経管理第14部 平野

 平成29年6月1日より、酒税法の一部改正が実施されました。酒税の税率が
段階的に見直されるのとは別で、財務省が酒類商品の販売価格に対して「公正な取引の基準」を新たに定めたものが発端となっているものです。中身としては

 1.酒類業者は、正当な理由なく総販売原価以下で安売りしてはいけない。
 2.メーカー側に、リベート支払いの基準を厳格化した。

 です。目的は、量販店やディスカウント店の過剰な激安販売を規制することにより、町の中小の酒屋さんを保護することとされています。これまで量販店が激安販売できたのは、メーカーからの「販売奨励金」の名目で得るリベートがあるからだと言われていたからです。

 さて、お酒の賦課徴収.製造及び販売業免許等は酒税法に定められています。

 酒税は、製造場から移出される酒類の数量に応じて課税されるもので、従量課税制度を採用しています。納税義務者はメーカーであります(負担するのは、毎日飲んでいる私たち消費者であり私などはかなり国に貢献していると自負しておりますが)。                        

 お酒の販売には免許が必要です。また、酒税法では小売業者を保護し、安定した酒税の徴収を図るために新規参入者にたいしてはきびしい制限がかつてはなされていました。しかし、平成13年1月に距離基準が平成15年9月に人口基準が相次いで廃止され、事実上「自由化」となりました。そして、様々な業種がお酒の販売に参入して競争は激化し、スーパー.量販店などはお酒を集客の「目玉商品」として売上を伸ばしてきました。                              

 では、今回の改正後どうなるでしょう?

 今回の規制は、スーパー等の量販店でのビール等酒類の価格は安すぎるので、適正価格で販売しましょうというものだと思います。経済的な面からみると良い規制ではないでしょうか。メーカーはリベートを減らす対応を始めるでしょうし、ビール等そのものの定価を上げるものではないので、その影響がおよぶのはリベートの恩恵を授かるスーパー等だけだと思われます。

 ただ、今回の改正で町の中小零細の酒屋さんにお客が戻るかというときびしいのではないかと思います。平成15年9月の「自由化」から現在に至るまでの間に、ある程度淘汰されているし住み分けも出来ている。だからちょっと価格を規制しても状況は変わらないと思います。

 結果として、スーパー等での酒類の底値は上がるだろうが、私は今後もこの分野で国に貢献していくのだろうと思っています。




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