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税 務


  株式と税(平成15年分の株式等譲渡益課税制度)


               税経管理第1部 部長 伊藤 芳男


 平成15年分以降の株式譲渡益課税制度は、他の所得と区分して税金

を計算する「申告分離課税制度」となっています。

 一般の口座での取引については、ご自分で年間の譲渡損益を計算し、

その譲渡益に10%(所得税7%、住民税3%)課税されます。

 尚、証券会社を通じないで上場株式等の売却については、26%(所得

税20%、住民税6%)となります。


 譲渡損益を計算するときの取得費について、平成13年9月30日以前

から引き続き所有していた上場株式等を売却した場合における収入金額

から控除する取得費は、その上場株式等の実際の取得費と平成13年10月

1日の終値の80%に相当する金額とを比較して、いずれか有利な方を選択

することができます。

 上場株式等を証券会社を通じて売却したことにより生じた損失のうち、

その年に控除しきれない金額については、翌年以後3年間にわたり、確

定申告により株式等に係る譲渡所得等の金額から繰越控除できます。

 また、株式等の売却による損失については、給与所得など他の所得と

の通算をすることができません。


 特定口座制度(証券会社が年間の譲渡損益を計算)が設けられており、

この特定口座での取引については、「簡易申告口座」、「源泉徴収口座」

があり、年ごとに選択できます。

「簡易申告口座」の場合には、証券会社から送られてくる特定口座

年間取引報告書により、簡便に申告ができます。

「源泉徴収口座」の場合には、特定口座内で生じる所得に対して源泉徴収

することを選択した場合に、その特定口座における所得を申告不要とする

ことができます


 平成13年11月30日から平成14年12月31日までの間に購入した上場株式等

を、平成15年から平成16年の2年間保有したのち、平成17年から平成19年ま

での間に証券会社を通じて売却した場合、選択により、その購入価額が

1000万円に達するまでのものに係る譲渡益を非課税とすることができる特例

があります。


●主な金融商品の課税関係(平成15年分)

種類 課税関係 備考
預貯金の利子等 注 15%の源泉分離課税 左の他5%の地方税
一時払養老保険一時払
損害保険等の差益
15%の源泉分離課税
(5年超保険差益は一時所得)
左の他5%の地方税
割引国債、割引金融債等
の償還差益
18%の源泉分離課税
(特定割引債は16%)
払込み時券面額と
発行額との差額源泉
株式の配当 上場株式等 総合課税(10%の源泉徴収)
配当等の金額の多寡にかかわらず
申告を要しない
上場株式等
以外
総合課税(20%の源泉徴収)
配当等の金額が5万円(計算期間
1年以上)以下の場合は申告を要
しない。
地方税は総合課税

注 預貯金の利子等(普通預金、定期預金、郵便貯金、MMC、勤務先預金、
国債、地方債、抵当証券の利息、金貯金(投資)口座の利息、懸賞金付預貯金
等)




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