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情報通信


         コンピュータウィルス

                    税経管理第11部 部長 山内弘幸


 現在のインターネット人口は、本年末で6億6500万人に達し、各国別のインタ

ーネット人口は、米国が1億6070万人(世界全体に占めるシェアは24.13%)で最も

多く、2位は日本で6480万人(同9.73%)、3位は中国で5450万人(同8.18%)とな

る見通しとの調査会社の報告があります。


 これにより一昔前には考えもしなかった、インターネットを介して様々なメリッ

トが享受できるようになっている反面、新しい『被害』というものも受けてしまう

可能性が生じてきています。同時多発テロが発生した時に紙面上よく見かけた【サ

イバーテロ】や、公的機関のホームページが書き換えられたという事件も耳に覚え

があると思います。


 そんな中、一番身近に被害を受けてしまうものが【コンピュータウィルス】です。

ウィルスと言いましても別に細菌の仲間ではなく、コンピュータに対して様々な障

害等を起こさせる様に仕組まれたプログラムです。プログラムですから当然人間が

作ったものです。自己増殖し勝手に自分のコピー付メールを送信したりしますので、

まるで本物のウィルスのようです。

 これがコンピュータに侵入しますと、ファイルを勝手に書き換えたり削除したり

してしまいます。ひどいものになりますとコンピュータ自体動かなくなってしまう

ものもあるようです。種類も膨大で、現在数万種類のウィルスが発見されており毎

日の様に新種が見つかっているのが現状です。


 ウィルスが感染する対象の違いで以下の様なタイプ分けができます。

 【プログラム感染型ウィルス】

 プログラムに感染するウィルス。主にDOSのプログラムファイルであるCOM

 ファイルやEXEファイルに感染します。

 【ブート感染型ウィルス】

 ハードディスク、フロッピーディスクに存在するブートレコードに感染する。

 【マクロ型ウィルス】

 アプリケーションのマクロ機能で作成したウィルス。マイクロソフト社のワープ

 ロ「ワード」や表計算ソフト「エクセル」のマクロで作成されたものがある。

 【ステルス型ウィルス】

 ウィルスソフトの検出から隠れようとするウィルス。

 【多形態型ウィルス】

 プログラムに感染する際に単純にウィルス自身がコピーされるのではなく、変形

 された形でコピーされるウィルス。

 【複合感染型ウィルス】

 ブート感染型とプログラム感染型の両方の性質をもつウィルス。


 このようなウィルスに一旦感染してしまいますと、復旧に多大な労力を割かれま

す。最善はやはりコンピュータ内にウィルスを侵入させない事でしょう。ウィルス

がコンピュータに侵入する手段は、電子メールに添付されて来たりフロッピーディ

スクのデータに化けて入ってこようとしたりなど、とても巧妙です。

 対策としまして、ウィルス検疫・駆除ソフトというものが販売されています。こ

れを導入するのが一番効果的ではないでしょうか。これはコンピュータ内を常に監

視しておりまして、ウィルスの可能性があるプログラムが侵入してきますと警告を

発してくれます。日々発見されたウィルス情報もインターネット経由で自動更新し

てくれます。最近電子メールに添付する形でのコンピュータ内に侵入するケースが

目立ちますが、これも受信と同時にチェックしてくれます。またウィルスではあり

ませんがインターネットを介して不正にコンピュータにアクセスし、IDやクレジ

ット番号を盗み出そうとするプログラムもあります。このようなアクセスを遮断す

る機能も付いているソフトもあります。

 ただし、このソフトも完璧とは言い切れません。まだウィルスを定義されていな

い新種をウィルスではないと判断してしまったりする可能性があります。送信者が

信頼できる方でも疑わしい添付ファイルが付いたメール等はむやみに開かない事が

得策です。プレビューした途端に感染します。

 ウィルスに感染しますと、大事な顧客情報を消失したり業務の運営に支障をきた

したりします。業務のコンピュータ依存傾向が高まっている今日、影響は高まる一

方です。自衛手段をこの機に検討してみてはいかがでしょうか。



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