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9・10    −教師の本懐−

September・October 11年ぶりの中学校の同窓会、卒業以来33年ぶりに会う級友

もいました。外観は48年の歳月で変わりましたが、少し話していると15歳の

ころの少年、少女の姿が浮かんできます。時間により容姿は変貌しても、その人

の持つ特質は持続するようです。我がクラスの先生に会いたいと、他クラスの方

も参加しました。先生を中心に会話が弾み楽しい会でした。



「子供の持っている可能性を見つけて、花開かせることが教師の仕事の醍醐味

だ」と、この会で恩師、鷺山弘康先生が話されました。教育の要諦が簡潔に示さ

れています。自己実現の心理学を打ち立てたマズローのキーワード、「人間にと

って一番大切なことは、自分自身であること。自分自身が持っている可能性を最

大限実現すること」に重なります。



 先生は、今は、若い駆け出しの教師を指導する講師のお仕事をされており、受

け持つ子の家庭をよく知って、それを踏まえて接することの重要性を彼らにまず

教えるそうです。運悪く家庭環境に恵まれない子供もいます。しつけは家庭です

るのが基本だとして、突っぱねるのではなく、それぞれの子供の環境を勘案して、

基本的なしつけも請け負う姿勢です。それぞれの子供一人一人にオリジナルの指

導です。



誰もがいやがるトイレの故障の修理を買って出た級友は、中学時代、思いも

掛けず、校長先生から最高の表彰を受けました。我々のクラスメイトは、みんな、

自分に自信を持って中学校を卒業できたように思います。それは、各人の良い点

を引き出して、皆の前で褒めてくれた担任の姿勢の賜と思っています。こういう

先生に中学時代に出会え、幸運でした。感謝。         2002.08.16


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