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サロン

　　　　　　　　　園　芸　療　法

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　税経管理第６部　信田　晴美

　植物および園芸は、私たちに多くの恵みを与えてくれます。野菜や果物な

どを食物として摂取する、花を愛でるなど園芸活動の産物を利用できるとい

うのはいうまでもありませんが、植物と直接触れ合う園芸活動そのものが私

たちに精神的、肉体的健康の向上をもたらしてくれます。世話をしていた植

物が花を咲かせたことで喜びや達成感が得られる、園芸作業で筋肉を使い、

汗を流すことによって身体が丈夫になるなどがそうです。

　園芸活動のもたらす効果は筋肉弛緩、アルファ波の増幅、血圧降下、心拍

数の変化などの生理現象としてとらえることができます。ガーデニングブー

ムとして、植物や園芸が注目されているのも、花の美しさそのものを楽しむ

だけでなく、精神的、肉体的充実を得られるという効果が評価されているた

めではないでしょうか。

　これら植物のもつ精神的、肉体的治癒効果を利用した治療法が、西洋医学

の枠を越えた存在として注目を集めている園芸療法です。西洋医学では身体

的治療が重視され、心のケアを十分補うことができません。心と身体が一体

となった治療こそが園芸療法なのです。

　植物がもつ治癒効果については解明されていない部分も多いのですが、歴

史を遡ってみてみると、古代エジプトにおいて庭園散策やハーブの利用など、

植物を使った治療が既に行われています。ほかにも、世界中で古くから治療

に用いられており、植物を使った治療自体は非常に歴史のあるものだといえ

ます。

　植物のもつ治癒効果を利用した、新たな治療法として注目を集めている園

芸療法。心と体のケアを実践できる、西洋医学の枠を越えた療法として大き

な可能性を秘めている園芸療法ですが、その実態はあまり知られていません。

高齢化の進むこれからは、園芸療法の重要性がますます大きくなっていくで

しょう。ガーデニングブームによって、人々が植物との関係を意識しはじめ

たということは、園芸療法の普及にとってとてもよい機会といえます。



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