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税 務

       
伸びる会社の節税戦略 bT1

    −総務部門の節税 オーナーの節税対策(20)−

                       所長 木村哲三

 前回に続き、今回も持株会社の節税対策への有効性の検討を続けます。



 純資産方式は効果があるか



 評価額の高額な株式を持株会社を通じて所有し、持株会社の評価を類

似業種批准方式で評価して、評価額を下げて節税する方式がありました

が、平成2年の税制改正で規制されました。

 すなわち、株式保有特定会社の株式評価は、純資産方式か簡易評価法

となりました。ここで、株式保有特定会社とは、課税時期に評価会社の

保有する各資産を評価基本通達の定めに従い評価した価額に占める株式

及び出資価額の合計額の割合が、大会社にあっては25%以上、中会社

及び小会社にあっては50%以上の評価会社です。

 一般に持株会社では、株式の資産に占める割合は高くなりますから、

株式保有特定会社に該当してしまいます。そこで、純資産方式か簡易評

価法しか選択できず、類似業種批准方式による評価減は無理になりまし

た。ただし、株式保有特定会社に該当しないように、資産構成を検討し

て持株会社を作った場合には、類似業種批准方式により株式の評価減を

検討できます。



 純資産方式により、甲社の株を乙社が持ち、さらに乙社の株を丙社が

持ちと、評価差額の「法人税等相当額の控除」の効果を何度も使って節

税する方式も平成2年の改正で封じられました。

 純資産方式での株式評価で、評価会社の保有資産の内、取引所の相場

のない株式の評価では、評価差額の「法人税等相当額の控除」は不適用

となりました。簡易評価法においても、評価差額の「法人税等相当額の

控除」が不適用です。ただし、個人が評価会社の株を所有している場合

には、評価会社自身の評価差額に対する「法人税等相当額の控除」はで

きるわけですから、1度の効果はあるわけです。         S



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