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法務


  定期借家権制度の具体的な内容について


                  税経管理第2部 部長 伊藤芳男


 平成12年3月1日に施行された定期借家権制度の内容について簡単

にQ&Aの形式でお知らせします。




 Q、定期借家権とは、どのようなものですか。従来の借家権制度と比


べると、全く異なる性格のものなのでしょうか。




 A、定期借家権は、「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措


置法」によって創設された借家権です。従来の借家権ともっとも大きな


違いは、定期借家権は、契約期間が満了したときに正当事由制度が適用


されずに、契約が更新されることなく終了することです。


 


 Q、それでは、その内容について教えてください




 定期借家権については、つぎのおおむね八つのポイントから成り立っ


ています。


 


 まず第一は既存の契約までは遡って適用されないことです。


 


 第二は、契約期間に制限がないということです。従来の借家法には一


年以上二十年以下という縛りがありましたが、新しい制度では契約期間


が短期間でも、長期間でも認められることになっています。


 また、建物の利用目的が事業用か、居住用かで制限が設けられていた


わけですが、新しい制度には使用目的の制限は設けられていません。


 


 第三は、期間満了が終了することを通知しなければならないという義


務が付されているこがあげられます。


 賃貸人である家主のほうから見れば、定期借家権の期間満了は契約書


上で明らかになっているわけです。しかしそれでも、賃貸借契約期間が


満了する六か月前に、賃借人に対して契約が終了することをきちんと通


知しなければならないことが賃貸人に義務付けられています。


 もちろん、これは六か月前ということからですから、一年未満の超短


期的な定期借家権契約には適用されず、一年以上の定期借家権に初めて


適用されることになります。




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