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税  務

        海外子会社からの資金回収の税務上の論点

                        税計管理第6部 部長 松村


 日本の親会社は、海外子会社から効率的に資金を回収する必要性があります。

すなわち、海外子会社の余剰資金の回収だけでなく、本社コストの回収(本社経費

の配賦・海外子会社への支援費用の回収)の必要性があるのです。

 こうした資金は、一般的には、配当、利子、ロイヤリティ等で回収されることに

なります。今回は、海外子会社からの資金回収の税務上の論点をご紹介いたします。


【配当による資金回収の税務上の論点】

 <1>外国子会社配当益金不算入(95%益金不算入)

 <2>現地国での源泉課税

 <3>タックスヘイブン対策税制における適用除外基準(事業基準・実体基準・

   管理支配基準・非関連者基準または所在地国基準)

【利子による資金回収の税務上の論点】

 <1>無利息貸付と寄附金認定(利子は強制認識)

 <2>現地国での源泉課税

 <3>過小資本税制・過大支払利子税制

【ロイヤリティ等による資金回収の税務上の論点】

 <1>無形資産の評価と移転価格税制

 <2>グループ内役務提供取引(経営指導料他)と移転価格税制

 <3>現地国での源泉課税

 <4>タックスヘイブン対策税制における資産性所得の合算課税


 日本の親会社と海外子会社で適用税率が同じであれば、親子全体のコストは中立

ですが、親会社と子会社で適用税率に差があれば、その差がコストとして認識され

ます。上記の税務上の論点を総合的に勘案して最適なタックスプランニングが必要

となります。




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