前のページへ  木村会計 The Limit of The Sky No.133 Page 5  次のページへ

サロン


             
秋の七草


                       税経管理第10部 大場


 「春の七草」は健康を祈って「食べる」七草ですが、「秋の七草」は「鑑

賞する」七草です。

 秋の代表的な植物というよりも、8月のお盆が過ぎ残暑の終わりを感じな

がら鑑賞するようで、山上憶良(やまのうえのおくら)が『万葉集』で詠んだ

のが由来とされています。


 「秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびおり)

    かき数ふれば 七種(ななくさ)の花」 (万葉集・巻八 1537)


意味:秋の野に咲く花を指折り数えてみると7種類の花がありました。


 「萩が花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花(おみなえし) また藤袴

    朝貌(あさがお)の花」       (万葉集・巻八 1538)


ハギ 「萩」とは「秋に咲く草」という意味で秋を彩
る代表的な花となっていたようです。
尾花 オバナ ススキのこと。お月見にススキを供えるの
は豊かな穂が実りの秋を連想させ豊作を祈
願したそうです。
葛花 クズ 根は葛粉として食用・薬用に、つるは編ん
で籠などにしていました。
撫子の花 ナデシコ 小さくて可憐なピンクの花。「大和撫子」と
はつつましく控えめな日本女性の代名詞で
す。
女郎花 オミナエシ すらりとした立ち姿が美人をたとえて詠む
時に使われました。
藤袴 フジバカマ   キク科。今では絶滅危惧種となっています。
朝貌の花    キキョウ 「あさがお」と詠んでいますが「キキョウ」が
定説となっています。


 ハギとススキとクズ以外は山野から次第に姿を消しつつあるそうで

す。一千年以上も昔から受け継がれてきた秋の七草。日本の秋の原風景

と、秋の七草を次世代にも大切に伝えていきたいものです。



             



前のページへ  木村会計 The Limit of The Sky No.133 Page 5  次のページへ