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経 営
中小企業白書に見る事業再生支援策
税経管理第4部 部長 夏目
中小企業の景気回復に関する見通しは、未だ先が見えない状況であると実
感している経営者がほとんどではないでしょうか。政権交代後、更なる悪化
を懸念する声もあります。
そのような状況の中、今年も発表されました「中小企業白書」において中
小企業施策として「事業再生支援」の記述があります。この事業再生支援に
ついて簡単に紹介します。
《第二会社方式に対する支援措置の創設》
白書では「2009年度予算には、再生支援協議会の人員強化およびデュ
ーデリジェンス費用の増額措置が盛り込まれている。また、事業再生の手法
として、最近注目を集めている第二会社方式による再生支援措置の強化に努
める。」とされています。
★第二会社方式とは?★
事業の全部又は一部を、会社分割又は事業譲渡により、他の事業者に承継
させ、第二会社が当該事業を営んでいく組織再編の手法をいう。過大な債務
を抱える等により事業の継続が困難となっている中小企業には、当該負債を
圧縮する等により財務内容を健全化すれば、事業の継続が可能となるケース
も存在するが、第二会社方式は、事業の承継に伴い、負債や赤字部門を切り
離すことができるため、画期的な事業再生の手法の一つと位置付けられてい
る。
<支援企業となる中小企業>
「現状、借入金の返済に苦しんでいるなど財務上の課題を抱えているが、営
業利益段階では利益を計上している、又は今後利益を上げられる見通しがあ
るなど事業の将来性の見通しがあり、事業再生に強い意欲を持つ中小企業を
支援します。」
<第二会社方式による事業再生イメージ>
第二会社方式のメリット
○金融機関の協力が得やすい
債券放棄の手続きが不要、税務上の損金算入の手続きも容易である。
○スポンサーの協力が得やすい
想定外債務のリスク遮断が可能となる。
<第二会社方式に対する支援措置>
1.営業上必要な許認可の承継
2.登録免許税・不動産取得税負担の軽減
3.必要な事業資金に対する金融支援
以上のように利益を計上しているが負債が大きいとか、将来性ある事業を
営んでいるが返済が厳しい等の中小企業については、再建の道が開かれてい
ます。しかし、全ての中小企業に適用することは難しいでしょう。根本的に
は、日々のキャッシュをプラスにする仕組みを作ることが大切です。
会社再生等に関するご相談は、各担当者にお尋ねください。
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