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情報通信
インターネットに店を開く 税経管理第９部部長 山内弘幸
今や日本のインターネット基盤整備の充実及び接続コストの安さは世界でもトッ
プクラスとなり、利用人口も伸びこそ鈍化してきましたが２００５年２月現在での
パソコンによる世帯浸透率は５５．４％、接続機器を問わず（携帯電話等を含む）
の世帯浸透率となりますと８２．８％にも上ります。（インターネット白書2005より）
このインターネット上に【店】を構えることができます。ネットショップと言わ
れるこの形態は、数年前から急激に業績を伸ばしている市場です。
仕組みを簡単に説明しますと、インターネットに接続している人が自由に閲覧で
きるところに商品のカタログを陳列し、それを見た人から注文を受けて商品を発送
となるわけです。
ネットショップという特異な形態での営業ですから、通常の営業とは違ったメリ
ット・デメリットが考えられます。
【メリット】
・設備投資が不要。
ショップと言いましても、店を構える必要はもちろんありません。初期投資は数
万円から始めることができます。従いまして、大きなリスクを負うことがありませ
ん。ランニングコストも家賃を払うことを考えれば少額で済みます。
・販売圏が全国。
インターネットに接続している人が対象ですから、地域などによる制限がありま
せん。日本全国から商品購入の注文が入ることになります。
・購入者情報が入手できる。
注文を受けて商品を発送する販売形態となりますので、通常の不特定多数のお客
様に販売するのとは違い、お客様の氏名・住所・電子メール等が把握できますので
顧客情報を管理することができますし、この情報を利用して購入した商品の意見を
伺ったり新商品の紹介を行ったりすることができますから、リピーターの増加に活
用できます。
ただし、これらの情報は個人情報ですので、情報漏洩等には充分注意が必要です。
【デメリット】
・実物を確認しての販売ができない。送付時のトラブル
カタログ（画面）を見ての注文となりますので、いざ現物が手元に届いたときに
写真と実物が違うなどといった苦情が寄せられる可能性があります。また、商品発
送時に違う商品を送ってしまった、輸送途中で壊れてしまったなどのトラブルに対
応しなくてはいけません。
・購入がシビアである。
販売圏は全国ということは、出店も全国からということになり店舗数も膨大なも
のになっています。購入者もその中で比較・検討することができますので、価格・
品揃え・サービスなどで他店と差別化を図らなければなりません。
・詐欺に遭う。
目の前で商品と代金とを受け渡しするのではなく、商品発送、代金は振込・カー
ドという取引になりますので、商品を送ったのに代金が届かないなどといった詐欺
に遭うケースも考えられます。入金確認後発送といった対応が必要です。
ネットショップを開設するのは比較的簡単にできます。インターネットに接続で
きるようにして、店を置くスペースを借り、カタログを作って展示するだけです。
【店を置くスペースを借りる。】
インターネットとは、コンピュータ同士をケーブルで繋いだ網（ネット）のよう
なものです。このネットに繋がっていませんと誰も入って来られません。今所有す
るコンピュータを繋ぐことは可能ですが、２４時間電源を入れていなくてはいけま
せんし管理者に知識が必要となります。そのため、ネットに繋がって常時稼働して
いるコンピュータを『借りる』のが一般的です。借り方もそのコンピュータ内の一
部だけ借りる方法から１台まるごと借りる方法まで様々です。費用も月1,000円台
からあります。レンタルサーバと言われるものですが、これには「ショッピングカ
ート」という購入した商品の管理にとても役立つものや、アクセス解析でどのカタ
ログページが見られているかなどが付いているものなどの機能が利用できるものも
あります。また、「楽天」に代表されるネットショップの集合体に加入すると来客
数は増大します。
【カタログを作る】
カタログと言いましても、ホームページと同じです。ですから普通の紙のカタロ
グとは違い、見たい写真を拡大したりカタログ内から注文できたりなどいろいろな
機能を組み込むことができます。作成ソフトがあれば簡単に作ることができますが、
この作り方ひとつで売上が大きく変わると言われています。専門業者に委託する方
法もあります。
その他、インターネットに接続できる環境と管理運営の担当者は必要です。
扱われている商品が他の店では扱っていない希少なケースや、商品の良さを是非
皆さんに知ってもらいたい、買ってもらいたいと思っているのでしたら、このネッ
トショップという販売方法は大変有効な手段です。一度検討されてみてはいかがで
しょうか。
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