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経 営

     
中小企業の後継者問題の現状 〜2004版中小企業白書より〜

                       経営管理第6部 部長 夏目毅雄

 今年の8月に「2004版中小企業白書全文」が中小企業庁のHPに掲載されました。こ

の中で経営者の高齢化や事業承継の時期等についての記事がありました。経営者にとっ

ては、特に関心のあることと思いますので、抜粋してご紹介します。

 詳細は中小企業庁HPにて見ることが出来ます。

   =経営者の高齢化=

 「我が国が高齢化社会に向かっていると言われて久しいが、企業の経営者については

それ以上のペースで高齢化が進んでいる。すなわち、自営業者の年齢構成は就労者一般

に比べ10歳以上高く、その意味では日本全体より10年以上早く高齢化時代が到来して

いるといえる。こうした中、多くの中小企業にとって今後、経営者の引退後の企業のあ

り方という問題が浮かび上がってくることは大いに考えられることである。」

 「経営者が年をとることは避けられない。つまり経営者は自分が引退をする年齢にな

った時に企業をどうするのか、あらかじめ決めておかなければならない。決めかねてい

ると、引退した方が良い年齢になっても漫然と経営を続けて、環境の変化に対応できな

くなり、企業は市場から退出することになってしまうだろう。」


 「後継者に企業を継がせる場合、その後継者は経営者自らが育てなければならないの

だが、後継者は一朝一夕には育たない。また、企業の売却・譲渡を考えてもすぐに買い

手が現れるとも限らないし、廃業を実行するにも事前に従業員や取引先に充分な説明を

して廃業による摩擦を最小限にとどめることも考えておかないといけない。

 経営者も日常の業務に忙しく、自分が引退する時のことなど考えることができないか

もしれないが、経営者の高齢化は避けることができない問題であり、また、将来の企業

の方向性を決めるものである。その重要性を認識し早めに取り組んでいく必要があるだ

ろう。」


   =承継準備と承継時期=

 〜40歳代で承継した経営者は適当な年齢で承継したと答えている割合が高い〜


 「経営のパフォーマンスを見ても、従業者数成長率は30歳代以下が14.5%と一番高く

なっていて、40歳代、50歳代での成長率はそう大きなものではなくなっている。

・・(省略)・・事業の承継が完了するまでに約3年程度の期間が掛かることを考慮する

と、30歳代後半、あるいは40歳代前半のうちに承継することが、経営者として良好なパ

フォーマンスを上げるために望ましいことであろう。」


 永続企業であり続けるためにも、適切なタイミングで世代交代していく必要がありま

す。今の経営者は、自らの経験やノウハウを、後継者に語り継いでいく責任があります。

 後継者は、その経営の極意と新しい知識を融合して、化学変化を起こしましょう。


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