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税 務
給与に関する所得税が変わります
税経管理第5部 部長 伊藤
平成24年度の税制改正にて、給与に関する所得税の改正が行われました。
改正の概要については、本誌bP42に掲載しました。その中で、今回は給
与に関する所得税について、再度取り上げます。
1 給与所得控除額に上限が設定されます
(1) 給与所得控除額とは
給与についての税金を計算する場合、まず下記のとおり、課税対象とな
る「給与所得」の額を計算します。
給与収入 − 給与所得控除額 = 給与所得
給与所得控除額とは、給与を得るための経費を概算で計算したものです。
給与の収入額に応じて、一定の算式により算定することとされています。
(2) 改正の内容
給与収入が1,500万円を超える場合の給与所得控除額に245万円の
上限が設定されることとなりました。
(3) 改正に伴う税負担増加額の試算
改正後は、下表のとおり、税負担が増加します。その影響が大きくなると
思われる方は、ご自身の税額の試算や給与改定のタイミング等を各担当者に
ご相談ください。
2 特定支出控除の見直し
(1) 特定支出控除の範囲の拡大
特定支出の範囲に次の支出(給与の支払者により証明されたもの)を追加
します。
@ 職務の遂行に必要な弁護士・公認会計士・税理士等の資格取得費
A 職務と関連のある図書費、職場で着用する衣服費及び通常必要な交際費
(その合計額が65万円までの支出に限ります。)
(2) 特定支出控除の適用判定・控除額の見直し
特定支出の額が、下表の区分に応じて「特定支出控除額の適用判定の基準
となる金額」を超える場合には、その超える部分の金額を給与所得控除後
の所得金額から差し引くことができることになります。
3 その他
給与所得控除額の見直しに伴い、下記が改正されます。
(1) 給与所得の源泉徴収税額表(月額表・日額表)
(2) 賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表
(3) 年末調整のための給与所得控除後の給与等の金額の表
4 適用時期
この改正は、平成25年以後の所得税及び平成26年以後の個人住民税に
ついて適用されます。
また、平成25年以後は、「復興特別所得税」も適用されます。今までの源
泉徴収事務から大きく変化しますので、注意が必要です。
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