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9・10    −8月15日 小泉総理 靖国参拝−

September・October  終戦記念日の今日、小泉総理が靖国神社を参拝しました。

これで小泉総理は総裁選挙での公約を守りました。小泉首相は公約を守る、

姿勢のぶれない政治家としてのイメージを固め、来月に退場します。

 首相の靖国神社参拝には3つの批判があります。第一は、中国と韓国の反

発、次は「A級戦犯」が合祀(ごうし)されていること、最後に憲法違反で

す。これらに対し小泉首相は以下の反論を展開しています。中韓の反発につ

いては、「参拝を条件に首脳会談を行わないというのはおかしく、違いを乗り

越えて未来志向で対応すべきだ」。「A級戦犯」の合祀(ごうし)については

「特定の人に参拝しているのではなく、圧倒的多数の戦没者全体のための参

拝をしている」。憲法違反だとの批判には「憲法19条の信教の自由がある。

今の日本の誰にも許されている自由をどう考えるのか」と対応しています(サ

ンケイwebより)。

 中韓の批判については、もともと昭和53年のA級戦犯合祀の際には中国

も韓国も何も言わず、合祀後の福田、大平、鈴木といった当時の首相の靖国

神社参拝時にも何も言っていません。昭和60年8月15日の時の総理中曽

根氏の参拝時に、中国から初めて批判が出ました。韓国はその後追いです。

その後中曽根氏は参拝をやめました。理由は、自分の靖国参拝問題が、中国

国内の政争で胡耀邦総書記の進退に影響が出そうだという暗示を受け取り、

「胡耀邦さんと私とは非常に仲が良かった。」「それで胡耀邦さんを守らなけ

ればいけないと思った。」から参拝をやめた。(「私が靖国神社公式参拝を断

念した理由」正論 平成13年9月号)。

 また、ウィキペディア(フリー百科事典)の「靖国神社問題」の項には次

のような記述もあります。昭和39年、日本社会党の佐々木更三委員長が毛

沢東国家主席に「中国国民に多大の損害をもたらして申し訳ない」と挨拶し

たところ、「何も申し訳なく思うことはありませんよ。日本軍国主義は中国に

大きな利益をもたらしました。中国国民に権利を奪取させてくれたではあり

ませんか。皆さん、皇軍の力無しには我々が権利を奪うことは不可能だった

でしょう」

 中国、韓国、北朝鮮以外の国は、日本と一番激しく戦った米国も、また、

日本が植民地政策を遂行した他のアジア諸国も、日本国首相の靖国神社参拝

への批判はありません。国を守るために戦って死んだ方々を、その国の首相

が慰霊するのは当たり前だからです。

 戦後61年が過ぎますが、日本は平和憲法を掲げ、今日まで他国に発砲し

たことは唯の一度もないという事実があります。軍国主義復活とはほど遠い

現状です。

 以上から、中国、韓国、北朝鮮は、日本から各種の譲歩を引き出すために、

靖国カードを利用しているのは明らかです。

 小泉総理は、長期的な日本の国益に適うと判断し、靖国参拝を断行してい

ると思います。次の総理もこの道を歩むと予想します。

 ただし、新首相は中国、韓国をはじめ世界の国々が、日本の指導者の靖国参

拝を納得する説明が必要です。それ無しの参拝継続は許されません。20060815

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