内容 贈与税 相続税 趣 旨 原 因 申告期限 納付方法 財産の 取得理由 財産を もらう人 基礎 控除額 同取得 金額の税率 配偶者の 税金の 軽減 遺産取得により発生する税 死亡による財産の相続 死亡翌日から10カ月以内 延納最高20年、物納可能 相続・遺贈・死因贈与による 取得 原則として法定相続人 3000万円 + 600万円 × 法定相続人の数 贈与税より低い 配偶者は法定相続分又は、 1億6000万円以内までは 非課税 相続税を補完する税 生前に財産を贈与 贈与の日の翌年3月15日 延納最高5年、物納不可 贈与による取得 (死因贈与以外) 誰に贈与するのも自由 年間110万円 相続税より高い 婚姻期間20年以上の 夫婦間で居住用不動産 等を贈与した場合 2000万円まで非課税 贈与で節税するには毎年少しずつ 「相続税を払う」のと「今から分け与えて贈与税を払う」のと、妻や子 供たちに財産を渡す際に、はて、どちらが得になるでしょうか。 贈与税は相続税よりも基礎控除が低く、税率も高いので一度にあげ るのであれば相続税の方が得になります。 しかし、贈与税の基礎控除 は毎年使え、税額も年ごとに決着します。 そのため分け方によっては 節税が可能です。 これには緻密な計算が求められます。 しかも、税務 当局に相続税逃れとみなされないようにするのが肝要です。 また、相続時に過去の贈与の事実を税務署に証明するには、贈与契 約書を作成し、公証人役場で確定日付をとっておくことが有効です。 税務のプロが語る 「知っ得話」 相続税と贈与税の違いの一覧 ●個人の間での財産の移転に伴う税金であること 日本に住んでいる人であれば海外の財産を取得しても課税される ●税率は累進税率 ●納税は財産を取得した人が行うこと ●納税は金銭での納付が原則 〈相続税と贈与税の違い〉亡くなる前にいただいたものに贈与税 〈贈与税は相続税より重い〉 〈相続税と贈与税の共通点〉個人間の財産の移転に課税 一番の大きな違いは、亡くなった人の財産の取得は「相続」で、生き ている人の財産の取得は「贈与」になることです。上記ケース( 1 )の法 定相続人以外へ遺産の一部を渡すのは相続税の対象になります。上記 ケース( 2 )の親からの借金の免除は、もらったことと同じなので贈与 税の対象になります。 贈与税は相続税を補完するための税金です。財産のある人が生前に 妻や子供に財産を全部あげてしまえば、亡くなった時にその人の遺産 は残っていません。結果として相続税を免れます。あえて言えば相続税 を逃れようとする人に対して課する税金という側面もあります。この ため相続税よりも高い税率で、基礎控除額も低く設定されています。 第6章 〈ケース〉 1 )「自分が死んだら財産を差し上げるよ。遺言にも書 いておいたから」と夫婦や親子でない人から言われたとします。( 2 親に大金を借りていたが、それを帳消しにしてもらったとします。( 1 と( 2 )は贈与と相続のどちらに当たるのでしょうか。二つとも税務 のプロに依頼があった事案です。双方の税の違いを説明しましょう。 親からの借金帳消しには贈与税 贈与税と相続税の違い 8 6