〈このケースの詳細〉 〈評価の手法1〉売買実例価格 〈評価の手法 2 〉精通者意見価格 車の車種や年式、走行距離等から、中古車取扱店のインターネット のサイトなどで同等の車の価格を調べることができます。この額を 「売買実例価格」といいます。 車を売る場合、買い取り業者に車種、年式、走行距離、事故歴など を伝えて査定してもらうことがあります。買い取り業者は、それらの 全てを勘案して、同程度の車の買い取り価格を参考にして、車の価格 を査定します。 この査定してもらった額を「精通者意見価格」といいます。輸入車で 希少価値もある車の場合、大手の車買い取り業者よりも、専門性の高 い買い取り業者の方が高く売れることもあります。 上記のようなご相談を受けて、ご自宅にうかがって拝見させていた だきました。お父様が所有されているポルシェですが、いずれも古い ものの、今となっては珍しい空冷エンジンを積んだ車です。調べてみ た結果、想像以上に価値の高い車である事がわかりました。 ガレージの内部も、税務当局は当然チェックすることでしょう。慎 重に評価することをお薦めしました。 上記の方法で、相場がわからない場合、相続開始時の新品価格から減価 償却相当額を控除した額を使うこともできます。ただし新品での流通が現 在はなく、希少価値があって、むしろ実際の取引価格が購入時より上がっ ている物もあります。税務当局から、評価額が低過ぎるとみなされること も起こりえます。価値の上がっていそうな物はよく調べましょう。 所有者が亡くなった日時点での評価となります。 〈評価の時点〉亡くなった日 〈評価の手法 3 〉新品価格を基準に算出 家族に内緒の収集品も購入記録は必須 家族に言い辛く、こっそりガレージを借りて高級車を保管してい る方もいるでしょう。 ビンテージカーや骨董品、美術品等の評価は 難しく変動も激しいです。 先々、玉石混交の収集品全部を鑑定して もらうとなると、評価額より費用の方が高くつく厄介物になる事態も ありえます。 鑑定費用は相続税の計算上、控除できません。 きっと家族側は どれを鑑定に出すか迷うことでしょう。収集家側は購入価格の記 録くらいは残しておくことを薦めます。 家族側は聞いておくことが 大切です。 大金を投じて手に入れた物が、実は安物だったことはよ くあること。 でも後々まで大事に扱ってもらうには購入記録が必須 といえます。 税務のプロが語る 「知っ得話」 第2章 〈ケース〉 父は大の車好きで、趣味が高じて古いポルシェをガレー ジに 2 台所有しています。先々のことを聞くと「売ってはいかん」と 言います。とはいえ、その場合の相続税はどうなるか、一応知って おきたいです。 父の高級車の道楽、税も高いの? 高級車の評価 18 2