5 以下 5 10 以下 10 15 以下 15 5% 10% 15% 20% 割  合 賃借権の 残存期間 1. 土地の評価 仮に路線価評価額80万円の道に面しているとします。土地の評価 は、原則として路線価に地積(土地面積)をかけた額または固定資産 税評価額に評価倍率をかけて評価します。 このケースように更地状の土地の評価は、貸し駐車場でも土地の利 用を目的とはしていませんので、そのままでは小規模宅地の特例によ る軽減措置の適用は困難です。自用地としての評価額が土地の評価額 となります。 路線価80万円 × 165㎡ = 1億3200万円 1億3200万円 ― 3600万円(基礎控除3000万円 + 600万円 × 1人) = 9600万円 → 税率は30%で、その率での控除は700万円 9600万円 × 30%(税率)- 700万円(控除)= 2180万円 → 1人っ 子が納税 2. 相続税の算出 相続の対象となる資産はこの駐車場の土地のみとし、1人の子がすべて を相続すると仮定します。 大宮駅のような主要駅の駅前ともなりますと、土地の評価額はケタ 違いに高額になります。2016年の東京国税局路線価評価額によると、 場所によっては1㎡あたり200万円を超えています。 小規模宅地の評価減を利用するには、建物や構築物の敷地での利用 が前提です。青空駐車場ではこの要件は満たせません。そこで、アス ファルトや砂利(消滅している場合や地中に埋没している場合などは不 適当です)を駐車場に敷くと構築物となり、小規模宅地特例の貸付事業 用宅地になります。 小規模宅地の特例を使わない際は、車庫などを駐車場利用者の負担で建 てることを認める契約にします。それなら土地の「賃貸借」に相当し、借 りる側に地上権に準ずる「賃借権」が発生するからです。また、賃借権登記 がされたり、借りる側から権利金や一時金の支払いがある場合も同様です。 貸す側は、賃借権により下記の割合で自用地から評価減できます。下記 より法定地上権や借地権の割合が高い時は、そのうち低い割合を取れます。 対策 2 で税額約 1 割減 → たとえば借り手の皆様から権利金を徴収し、 最長で 5 年契約の駐車場にすると、以下のように相続税額が下がりま す。 アスファルト駐車場の評価額 路線価80万円 × 165㎡ × 50% = 6600万円 6600万円 ― 3600万円(基礎控除3000万円 + 600万円 × 1人)=3000 万円 → 税率は15%で、その率での控除は50万円 3000万円 × 15%(税率)- 50万円(控除)= 400万円 →1人っ子が納税 1億3200万円 ×(100% - 5%)= 1億2540万円 1億2540万円 ―(基礎控除3000万円 + 600万円 × 1人) = 8940万円 → 税率は30%で、その率での控除は700万円 8940万円 × 30%(税率)- 700万円(控除)= 1982万円 → 1人 っ子が納税 対策 1 で税額は 5 分の 1 に → 200㎡まで 50% の評価減を受ける 〈対策 1〉アスファルトを敷いて小規模宅地評価減利用 〈対策 2〉借り手に賃借権を登記してもらうなど 青空貸し駐車場 50 坪(165㎡)の評価計算は 第2章 〈ケース〉 父は大宮駅の近くに更地状の時間貸し駐車場を50 坪所有 しています。駅前立地のため、先行き高額の相続税がかかるのではな いかと悩んでいます。今のうちから何か対策は打てないでしょうか…。 こんな相談があって、税務のプロとして対策を二つ提案しました。 特例外の青空駐車場では税が重い 駅前の駐車場の相続(大宮の事例) 9 2