〈アパートの建物の概要〉
〈アパートの土地の概要〉
建物の評価額の計算
土地に関して特例を含めた評価の仕方
原則として固定資産税評価額によって評価しますが、アパートの評
価はその評価額からさらに借家権割合を差し引いた額になります。
原則として路線価に地積(土地面積)をかけた額または固定資産税評
価額に評価倍率をかけて評価します。アパートを建てた土地にはこの評
価額に借地権割合と借家権割合をかけた額を差し引いて計算します。
これに加えて200㎡まで小規模宅地の特例の50%減が適用できます。
このアパートについて、以下のような想定で評価額を試算してみましょう。
5000万円 -(5000万円 × 借家権割合30%)= 3500万円 → 建物の評価額
木造2階建 10室 築10年 建築価額 8000万円
固定資産税評価額 5000万円 アパートの借家権割合 30%
敷地面積 500㎡ 路線価 23万円 アパートの借地権割合 60%
銀行から借入金が3000 万円あり、アパートの他に相続財産はないとします。
空き部屋は、入居者募集の状態であれば特に問題はありませんが、
例えばここに家族が無償で入居したときには、賃貸割合を考慮した評
価計算が必要になります。相続時に家賃の未収があったときは、未収
入金として相続財産に加えなければなりません。
路線価23万円 × 小規模特例の土地200㎡ × 特例50% = 2300万円
路線価23万円 × 特例外の土地300㎡ = 6900万円
上記の合計 2300万円 + 6900万円 = 9200万円
9200万円 -(9200万円 × 借地権割合60% × 借家権割合30%)
= 7544万円 → 土地の評価額
建物評価額3500万円 + 土地評価額7544万円 ― 3000万円 = 8044万円
8044万円 ―(基礎控除3000万円 + 600万円 × 1人)=
4444万円
4444万円 × 20%(税率)- 200万円(控除)= 688万8000円 → 相続
税額
〈相続税額の計算〉
〈相続人が自宅として住む場合〉
土地の評価額の計算
斜面に建つ物には評価減額も
自宅やアパートが、たとえば北西側と南東側で高低差が数mもある所
に建てられている際には、評価の減額が認められる可能性があります。
利用価値が著しく低下している宅地に関しては、10%の評価減が適用
できるからです。
道路より著しく高い、あるいは低いために利用しにくい
宅地、地盤に甚だしい凹凸のある宅地、震動の甚だしい宅地などが、こ
の評価減の対象に相当します。
斜面の場合には、市役所等で白図を取り
寄せて高低差を検討してみることを薦めます。
税務のプロが語る
「知っ得話」
注)4444 万円の取得金額では、相続税の税率は 20%で控除は 200万円。
第2章
〈ケース〉
Aさんは東京・府中で10 室のアパートを経営しています。
今は全室に賃借人が居ます。建築時に銀行から借り入れをして、
3000 万円の未済残高があります。先行き、別に住む 1 人息子に相続
させるつもりです。借金もあり、万一の場合、息子にどの程度の相
続税が課せられるのかを知っておきたいとの相談がありました。
郊外のアパートを息子に継がせる
アパート経営編(府中の事例)
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