地積規模の大きな宅地 とは〉 開発には公益に配慮が必要になる 住宅地の広い土地 〈適用条件〉 あてはまるかどうか、 検討 が必須 周辺の宅地と比較して地積が著しく広い所有宅地のことです。戸建て 住宅用地として分割分譲する場合に発生する、道路設置等による潰れ地 や工事・整備費用負担が必要とされるものを指します。特定の地積・地 域・容積率・地区要件に当てはまると除かれます。1000㎡以上の宅地 で20%以上の評価減が受けられます。 地積規模の大きな宅地の判定を得られると対象地の評価額は減額で きます。最低でも20%の減額を受けることができます。 地積規模の大きな宅地 による評価〉 最低20%の 減額 地積規模の大きな宅地 の評価計算 方法 路線価地域と倍率地域 で異なる Aさんは地積規模の大きな宅地の適用の見通しで、「固定資産税評価額×倍率×規模 格差補正率」としてご自分で評価額を算出してきました。税務のプロとして「このまま 申告しても通りません」と申し上げました。 そのうえで「最初の数字に固定資産税評価額ではなく、近傍宅地の単価を用いてくだ さい」と説明しました。税の話というと固定資産税を基準に考えがちです。しかし、固 定資産税評価額はすでに各種の補正が反映されているので、その額に規模格差補正率を 乗じると、減額補正の二重計上とみなされます。誤解しやすい箇所なので要注意です。 「近傍宅地の単価は市役所の税務課でわかります」と教えて差し上げました。 〈冒頭のケースの適用例〉 Aさんの所有地は500坪(1650㎡)なので、地積規模の大きな宅地の適用が できれば規模格差補正率は0.768となり、減額率は23.8%となります。 税務のプロが語る 「知っ得話」 倍率地域では近傍宅地が基準 (注)実際には、近傍宅地の単価(固定資産税路線価等)を使います。 1. 地積規模の大きな宅地が路線価地域にある場合の計算式 評価額=路線価×各種画地補正率×規模格差補正率×地積(㎡) 2. 地積規模の大きな宅地が倍率地域にある場合の計算式 ①と②のいずれか低い価額 ①その宅地の固定資産評価額に倍率を乗じて計算した価額 ②その宅地が標準的な間口距離と奥行距離の宅地とした場合の1㎡当 たりの価額(注)× 各種画地補正率× 規模格差補正率×地積(㎡) 第2章 〈ケース〉 A さんは千葉県旭市に住み、そこで父(故人)から受け継いだ 土地500坪を所有しています。相続増税の話題が注目され、広い土地の ことを考えて不安になってきました。税務のプロに相談したところ、 「地積規模の大きな宅地」として申告して認められれば評価額が減じ られ、将来の相続税額も減らせるとの助言を受けました。「地積規模 の大きな宅地」との判定や評価の仕組みを以下に紹介しましょう。 大都市圏の広い宅地 7 地積規模の大きな宅地 として 評価減 2 下記の5つの要件に該当する必要があります。 地積要件 地積規模が1,000㎡以上(三大都市圏の場合は500㎡以上) 地域要件 市街化調整区域、または、工業専用地域に所在しない 容積率要件 容積率が400%未満(東京23区は300%未満) 地区要件 普通・商業併用地区、または、普通住宅地区 非該当要件 大規模工場用地に該当しない(倍率地域の場合)東京 23区や三大都市圏だと要件が緩和されています。地積規模の大き な"宅地"となっておりますが、農地や雑種地にも適用可能となりま す。