〈ケースの土地の詳細〉
〈ケースの建物の詳細〉
1. 土地の評価額の計算
2. 建物の評価額の計算
3. 土地と貸しビル全体の評価額の計算
これを当該ケースに当てはめると
貸家建付地の評価の計算式は、以下の通りです。
自用地評価額 ×(1- 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合)
このケースでは、土地に関して貸家建付地として評価を行うのが要点です。
(85万円 × 330㎡)×(1―80% × 30% × 100%)= 2億1318万円
貸しビルの評価額は1億円 ×(1ー借家権割合30%)= 7000万円となります
2億1318万円 + 7000万円 = 2億8318万円(評価額)
敷地面積100坪(330㎡)で路線価1㎡あたり85万円とすると2億8050
万円になります。 借地権割合80%、借家権割合 30%とします。
賃貸ビル3階建て、当時の建築価額3億円、固定資産税評価額1億円。
ほかに不動産や金融資産などがなく、相続は貸しビルのみと仮定し
ます。相続人 1 人で基礎控除額後の課税価額は 2 億 4718 万円。基礎
控除(3000 万円+相続人 1 人600万円)後の税ランクは2 億円超~ 3 億
円で、税率 45%、控除は 2700 万円。相続税額は次の通りです。
この土地に小規模宅地等の課税価格の特例が適用される際は、さらに上
記の額から減額されます。このケースでは「貸付事業用の宅地等 200㎡ま
で 50%減額」の適用が受けられ、土地 330㎡のうち 200㎡に特例適用で
32.3 万円 × 200㎡ + 64.6 万円 × 130㎡ = 1 億 4858 万円
1 億 4858 万円(土地)+7000 万円(建物)= 2 億 1858 万円
基礎控除後の税ランク 1 億円超 ~ 2 億円で税率 40%、控除 1700 万円。
上記の特例適用の前①と後②で税額の減った分を算出してみましょう
ただし「小規模宅地等特例」を受けるには、一定の条件が必要です。
(2億8318万円 ― 3600万円)× 45% ― 2700万円 = 8423.1万円 →税額
(2億1858万円 ― 3600万円)× 40% ― 1700万円 = 5603.2万円 →税額
特例適用前8423.1万円 - 適用後5603.2万円 = 2819.9万円の減額
〈相続税額算出 その②〉小規模宅地等特例を活用した場合
〈相続税額算出 その①〉小規模宅地等特例を活用しない場合
郊外から都心への移り替え今は有利
郊外にある不動産を売却して都心の賃貸ビルを購入すると、相続税
が大きく減ることがあります。
これは都心の方が時価と比較して相続
税の評価額を低く抑えることができるケースが多く、相続財産の評価
額が減るためです。
また、その際に購入代金に充てるために借金をすると、相続税計算
上、さらに減額が見込まれます。
ただし、家賃収入や借入金の返済、税
金等諸経費の発生など、細かいところまで詰めておくことが必要で
す。
入居者が少なく、借金だけが残ってしまっては結果的に大損となり
かねません。
税務のプロが語る
「知っ得話」
第2章
中野駅前のビル、敷地100坪の相続
〈ケース〉
父は都内のJR中野駅前に土地 100 坪を所有し、賃貸オ
フィス用の 3 階建ビルを所有して貸し事務所として運営しています。
相続人は私一人です。相続する際の評価計算や税額はどうなるでし
ょうか。また、参考に相続財産の評価を減らせる特例を活用できた
際の税額も知りたいです。そこで税務のプロを訪問しました。
駅前小ビル編
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