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いよいよ、予選第1戦ベルギー戦が始まった。日本代表のプレーに

は堅さが見られた。その堅さのせいかベルギーに先制されてしまった。

このプレーで日本中が落胆したに違いない。しかし、その数分後、日

本代表はようやく目覚めてくれた。ご存じの通り、同点に追いついた

のだ。この爆発的な喜びは未だに脳裏に刻まれている、いや忘れるこ

とはないだろう。この爆発的な歓喜こそが、サッカーワールドカップ

の象徴なのだと思う。その後、逆転に成功したのもつかの間、同点に

追いつかれてしまい、結局2−2の引き分けで第1戦を終えた。それ

でも日本は歴史的勝ち点1を挙げたのである。自分自身、一試合の観

戦でこんなに疲れたことは初めての経験である。そして迎えた予選第

2戦ロシア戦では、守備陣の連携がよく修正され、ロシアに点を許さ

ず、1−0で見事に歴史的初勝利を収めたのである。この時点で、日

本国民の8割が日本の決勝トーナメント進出を確信しただろう。最後

に迎えた6月14日予選最終戦チュニジア戦は、前の2戦とは違って、

まるで別のチームのような攻撃的な試合運びで2−0と快勝した。

 夢ではない、なんと日本が、予選を1位通過で決勝トーナメントに

進出したのである。この結果は、大会前には予想しなかった快挙であ

る。この2002年6月14日は、日本サッカー界にとって歴史的な

日であり、後生に引き継がれるに違いない。


それにしても、日本全土がこんなに一体となり、興奮し、揺れ動い

たのは、久しぶりの様な気がする。サッカーワールドカップがもたら

す最大の効果は、この一体感なのだなと実感した。     

 結局、日本は、決勝トーナメント1回戦でトルコに惜しくも0−1

で破れてしまった。確かに悔しいが、この結果を非難することは出来

ないだろう。この壮絶なプレッシャーの中で、日本代表選手は、全力

で戦い、日本中を一体にさせ、興奮と感動を与えてくれたのだから。

最後に、日本代表選手に最大限の拍手を送るとともに、心を込めて

言いたい、夢と感動をありがとう。



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