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経 営

               伸びる会社の企業理念

         〜顧客満足度の高い会社に学ぶ〜

                     税経管理第5部 部長 林 克己

 低迷が続き、衰退していくテーマパークが出てくる中、相変わらず好調な業績

をあげているところがあります。千葉県は浦安市にある東京ディズニーランドです。

 最近、この会社の成功を生み出した企業理念を紹介した本を読む機会がありま

したので、ここで取り上げてみたいと思います。「ディズニー7つの法則」(日経

BP社)

 ディズニーでは、来園者をゲスト(賓客)と呼び、従業員をキャスト(出演者)

と呼んでいます。

 キャストがゲストの心をつかんで放さないために、何をしているかを、紹介し

た本ですが、ここから学ぶべき事や見習うべき事は少なくないと思いました。以下、

簡略的ですが、ディズニーの企業理念で印象に残った部分を紹介させて頂きたいと

思います。



1. 顧客が比べるすべての企業が競争相手

 同業者だけが競争相手だという時代は終わったという考え。お客様はすべての

会社を比較します。すべての企業が「顧客満足」という土俵で勝負しています。            
顧客の期待度を上げている企業なら、すべて競争相手になります。 

 自社より、顧客を満足させている会社があれば、顧客はその二社を比較して、

自社に不満をいだくからです。                  

2.細部にこだわる

 すべてのアトラクション、すべてのホテル、すべてのショップの隅々にいた

るまで、細心の注意が払われています。

 新しい乗り物やアトラクションができたから、また行こうという人もいるでし

ょうが、同じものを見ても、見るたび新しい発見がある、それを楽しみに何度も

足を運ぶ人たちもいます。この小さな発見を大事にしています。ゲストに喜んで

もらうためには惜しみなく経営資源を投入しています。

3.すべての人が、語りかけ、歩み寄る

 ゲスト一人当たり平均して、一日に六十回、キャストに接する機会があるそう

です。その出会いをすべて、魔法の瞬間にしたいと、ディズニーは考えています。

 キャストは全員、魔法の瞬間を演出する機会をいつも心待ちにしています。ゲ

ストを助けるというのが文化になっているので、全員が語りかけ、歩みよります。

経理担当だろうが、機械技師だろうが、監督だろうが、例外はありません。

 すべての人が、語りかけ、歩み寄ります。従って、キャストと呼んでいるの

は従業員だけではなく経営陣までも含めた全員です。

 清掃スタッフ、販売スタッフ、顧客サービス・スタッフ等どんな部署のスタッ

フも仕事の担当に関係無く、気づいた事があったらすぐに行動します。そうなれ

ば、会社の中はいつもきれいで、仕事の能率があがり、顧客のニーズにも素早く

対応できるようになります。




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