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税 務

      伸びる会社の節税戦略 52

      −総務部門の節税 オーナーの節税対策(21)−

                           所長 木村哲三

     株式公開による節税

 前回に引き続き、究極の株式相続対策を考えます。今回のテーマは株式の公開

です。



株式公開の種類


 株式の公開とは、一般から株主を募集すること、または、株式を一般に売り

出すことを言います。親戚縁者や関係者間だけの売買から、広く一般投資家に

資本参加を求めるわけです。

 株式の従来の公開方法としては、証券取引所に上場する方法と、店頭登録市

場に店頭売買銘柄として登録する方法があります。証券取引所に上場されると、

誰でも自由に上場された株式の売買を行えます。店頭市場は、社団法人日本証券

業協会に加盟する個々の証券会社の店頭で、顧客と証券会社間、または、証券会

社同士で個別的に取引きする方式です。

 以上の市場に加えて、ナスダック・ジャパン、東証マザーズ、店頭2号、大

阪新市場さらに米国ナスダックへの直接公開が始まりました。



株式公開のメリット・デメリット


 株式公開のメリットとしては、次の5つが一般に言われています。

1,株式の流通性アップ

 いつでも、市場を通じて株式を売買できるようになります。

2,資金調達の有利さ

 株式公開により、公募による時価発行増資等での、新たな資金調達が可能に

なります。資金調達の方法として、銀行借り入れだけでなく、自己金融の道が

開かれるわけです。

3,知名度、社会的信用の向上

4,創業者の課税上の優遇処置

次回詳しく取り上げます。

5,内部管理体制がしっかりする

 株式公開の要件として、内部管理体制の充実が不可欠です。

 以上の他、法人税課税の適正化(同族会社の留保金課税等がなくなる)や、社員のモラ

ールアップ、リクルート時のメリット等が言われています。  S



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