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January ・ February
 1900年代が終わり、2000年が幕開けます。新世紀まであと1

年です。否応なしに新しい時代の始まりを感じます。




 経済は、新しいパラダイムに入ったように思います。インターネット関連を始め、

IT(情報通信)関連の会社の時価が大きく上がっています。
トフラーやその他の

未来学者、経済学者が予言した新しい産業革命が起こっているのでしょうか。

 21世紀は、知識と知恵が最も重要な材
になりそうです。



 2000年はどういった年になるのでしょうか。貿易収支の赤字を大幅に増やしな

がらも、繁栄を続ける米国は、このまま順調に推移するので
しょうか。政府の景気

対策で回復しつつある日本の景気は、本格的に回復するのでしょうか。




 産業界では世界的な再編が各業種で始まりました。たとえば、自動車業界の再

編です。規模の経済が有効な業種ではすべて、メガコンペテ
ィションに勝ち抜くた

めに、国際的な統合が続くでしょう。


 そういった、統合再編の波に抗して、他社のまねできない核となるノウハウを持

つオンリーワン企業が、どの業種でも健闘しています。たとえ
ば、半導体業界では、

規模の経済のメリットを享受するために合併や提携による集約化が続いています

が、半導体研削切断装置の「ディスコ」
や特注ICの「ローム」といった企業は、他

社にできないオリジナル製品で活躍しています。これらは大企業ではないですが、

利益率がすこぶる
高い。規模ではなく利益率を経営指標にしているものと予測し

ます。いくら売り上げが大きくても利益率の低い企業はやっていけません。


 
結局、他社が参入できる業務、製品は徹底的な価格競争に晒され、規模の拡

大によるコストメリットを追求せざるを得ません。そういった業種
業界では、世界的

な再編が行き着くところまで行くでしょう。


 中堅、中小企業が目指すべきは、やはりオンリーワン企業です。他社のまねでき

ない、ノウハウ、製品、サービス、マネジメントを核にした事業
展開を目指したいで

す。そのために一番必要なのは、イノベーションです。製品やサービスはもちろん

ですが、販売方法や経営手法といったも
のでも革新的なノウハウを編み出せば、

高い利益も確保でき、他社から抜きんでることができます。


 
企業のイノベーションが、シュンペーターの言うように社会を発展させるものと思

います。




 2000年が、みなさまにとってよい年であるようお祈りいたします。
1999.12.16 





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