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会  計


            
日本での簿記の歴史


                      税経管理第13部 主任 根本


 皆さまが日々行っている取引におけるお金の動きは複式簿記によって帳簿に記

録されます。法人税や所得税(事業所得等)、消費税を申告する上では、必要なこ

とになります。簿記の名前の由来は2つの説があり、“Book−keeping”

が訛って「ボキ」と言われるようになった説と、「帳簿記入」の略語で言われるよ

うになった説などがあります。



 それでは現在の複式簿記というものはいつ日本に取り入れられたのでしょうか。

 明治6年(1873年)に1万円札でお馴染みの福沢諭吉が著した「帳合之法(図)」

(ちょうあいのほう)が始まりとされています。これはアメリカの商業高校の簿記

教科書“Bryant&Stratton‘s Common School 

Book−keeping”を翻訳したもので、この頃は簿記という言葉は使われて

おらず、帳合(ちょうあい)と称されていました。                           

 それ以前から日本では独自の帳簿が発展しておりました。江戸時代の商人の間

では「大福帳」という帳簿が使用されており、現在の現金出納帳にあたるとされて

います。余談ですが、当時は命の次に大切にされていました。時々江戸では大火事

が起こるわけですが、その時は何よりも先に井戸の中へ放り込み、一難去った後

に井戸から取り出し商売を続けていたそうです。

 その後、明治以降の急速な産業の発展に伴い、福沢諭吉をはじめとする先人達

により複式簿記が取り入れられ、現在に至るというわけです。

 「温故知新」という言葉のとおり、様々なものの歴史を知り現在の発展に役立て

たいものです。




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