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The Limit
of The Sky No.171 Page 2
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経 営
M&Aの概要
税経管理第5部 部長 伊藤
「M&A」と聞いてどういうイメージを持たれるでしょうか。買収や乗っ取り
といったマイナスのイメージでしょうか?テレビや新聞で目にするけど、中小企
業には関係ないものと思う方も多いのではないでしょうか。
1 M&Aとは
M&Aとは、「Mergers and Acquisitions」の略で日本語では「合併と買収」と
訳されます。企業の合併や買収、事業譲渡、資本業務提携までを総称したもので
す。
近年、大企業だけでなく中小企業の間でも増えているそうです。その背景には、
後継者不在、成長戦略、業界再編等がみられます。
2 M&Aの手法
合併、事業譲渡、株式譲渡、株式交換、株式移転、会社分割等とその手法はいろ
いろあります。中小企業のM&Aでは、自社株を買い取ってもらうことで経営権
を移転させる株式譲渡が約9割、会社の事業を対象として移転させる事業譲渡が
約1割となっているそうです。
3 中小企業のM&A
(1) 事業承継
中小企業において、M&Aは事業承継問題の解決策として活用されてきました。
自社に後継者はいないが、会社を存続させたい場合に有効な手段となっています。
事業承継におけるM&Aの主なメリットとデメリットは、下記のとおりです。
@ メリット
・創業者利潤(株式の譲渡対価)を獲得できる
・個人保証、担保提供から解放される
・他と比べ手取り金額が多くなるケースが多い
・承継候補者を広く外部に求めることができる
A デメリット
・希望条件を満たす相手を探すのが難しい
・企業文化の融合が難しい
・手続きが複雑(仲介会社への手数料が発生する)
(2) 成長戦略
近年では事業承継対策でなく、自社を成長させ生き残るための手段としてM
&Aを用いるケースが増えています。そういった会社の中にはオーナーの年齢が
若く、業績が好調でも譲渡を検討する会社も多くみられるそうです。
成長戦略におけるM&Aの売り手と買い手、それぞれのメリットは下記のとお
りです。
@ 売り手のメリット
・大手企業や勝ち組企業が後ろ盾になれば信用度がアップする
・資金や人材の確保が容易になり、経営が安定する
・将来の不安が解消される
A 買い手
・買収する会社がもっているノウハウや人材を取得できる
・新規事業への参入や業務拡大に要する費用と時間を抑えられる。
・シナジー効果が期待できる
(3) 業界再編
法律の改正等をきっかけにして、その影響を受ける業界内で集約、統廃合が進
むことがあります。最近では、調剤薬局や人材派遣業等があげられます。中小企業
がこの再編の渦中に置かれた場合、行動のタイミングを逸すると厳しい状況に陥
る可能性があります。
ここでの解決策としても、M&Aが用いられています。
4 M&A専門会社との提携
弊社は、本年より日本M&Aセンターとの提携を開始しました。セミナーに参
加して、実際にM&Aの当事者となった方の話を聞くことができました。それま
で、敷居の高かったM&Aを身近に感じたと同時に、ケースによっては、企業にと
ってかなり有効なものであると思いました。
M&A当事者のセミナーに参加したい方、専門会社の担当者に話を聞いてみた
い方、その他M&Aに関するご相談は弊社担当者へご連絡ください。
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