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経  営


                  M&Aの概要


                       税経管理第5部 部長 伊藤


 「M&A」と聞いてどういうイメージを持たれるでしょうか。買収や乗っ取り

といったマイナスのイメージでしょうか?テレビや新聞で目にするけど、中小企

業には関係ないものと思う方も多いのではないでしょうか。


1 M&Aとは

 M&Aとは、「Mergers and Acquisitions」の略で日本語では「合併と買収」と

訳されます。企業の合併や買収、事業譲渡、資本業務提携までを総称したもので

す。

 近年、大企業だけでなく中小企業の間でも増えているそうです。その背景には、

後継者不在、成長戦略、業界再編等がみられます。


2 M&Aの手法

 合併、事業譲渡、株式譲渡、株式交換、株式移転、会社分割等とその手法はいろ

いろあります。中小企業のM&Aでは、自社株を買い取ってもらうことで経営権

を移転させる株式譲渡が約9割、会社の事業を対象として移転させる事業譲渡が

約1割となっているそうです。


3 中小企業のM&A

(1) 事業承継

 中小企業において、M&Aは事業承継問題の解決策として活用されてきました。

自社に後継者はいないが、会社を存続させたい場合に有効な手段となっています。   

 事業承継におけるM&Aの主なメリットとデメリットは、下記のとおりです。

@ メリット 

 ・創業者利潤(株式の譲渡対価)を獲得できる

 ・個人保証、担保提供から解放される

 ・他と比べ手取り金額が多くなるケースが多い  

 ・承継候補者を広く外部に求めることができる

A デメリット

 ・希望条件を満たす相手を探すのが難しい

 ・企業文化の融合が難しい

 ・手続きが複雑(仲介会社への手数料が発生する)


(2) 成長戦略

 近年では事業承継対策でなく、自社を成長させ生き残るための手段としてM

&Aを用いるケースが増えています。そういった会社の中にはオーナーの年齢が

若く、業績が好調でも譲渡を検討する会社も多くみられるそうです。

 成長戦略におけるM&Aの売り手と買い手、それぞれのメリットは下記のとお

りです。

@ 売り手のメリット

 ・大手企業や勝ち組企業が後ろ盾になれば信用度がアップする

 ・資金や人材の確保が容易になり、経営が安定する

 ・将来の不安が解消される

A 買い手

 ・買収する会社がもっているノウハウや人材を取得できる

 ・新規事業への参入や業務拡大に要する費用と時間を抑えられる。

 ・シナジー効果が期待できる


(3) 業界再編

 法律の改正等をきっかけにして、その影響を受ける業界内で集約、統廃合が進

むことがあります。最近では、調剤薬局や人材派遣業等があげられます。中小企業

がこの再編の渦中に置かれた場合、行動のタイミングを逸すると厳しい状況に陥

る可能性があります。

 ここでの解決策としても、M&Aが用いられています。


4 M&A専門会社との提携

 弊社は、本年より日本M&Aセンターとの提携を開始しました。セミナーに参

加して、実際にM&Aの当事者となった方の話を聞くことができました。それま

で、敷居の高かったM&Aを身近に感じたと同時に、ケースによっては、企業にと

ってかなり有効なものであると思いました。


 M&A当事者のセミナーに参加したい方、専門会社の担当者に話を聞いてみた

い方、その他M&Aに関するご相談は弊社担当者へご連絡ください。



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