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The Sky's The Limit No.145 Page 2
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経 営
歯科クリニックの成長戦略
所長 木村哲三
今、歯科クリニックは
コンビニより多い歯科クリニック 増加続く
最近、歯科クリニックがどの町でも増えているように感じます。厚生労働省の調査
結果を見ると、平成22年10月1日現在「歯科診療所」は68,384 施設でコンビニの
45千店舗より多いです。前年よりネットで287 施設(0.4%)増加しています。この傾
向はここ20年以上続いており、平成2年の歯科診療所数52,216施設から20年で
16,168施設（30%）増えています。歯科医師の数も平成22年12月末時点で101,576
人で前年より2,150人（2.2%）増えています。歯科大学の定員が減少しない限りこの
傾向は続きます。
人口減少と歯科クリニックの競争激化
平成2年は人口123,611千人で2,367人／診療所、平成22年は人口125,358千人
で1,833人／診療所で、この20年で１診療所あたり患者の数は534人（22%）減っ
ています。人口は平成19年の127,771千人をピークに減少に転じました。
診療所の増加の陰で診療所の廃業も多く、毎年1500件（2%）程度が廃業していま
す。歯科クリニックの競争が激しくなっています。
どういった対策があるか
患者は何を求めているか
歯科クリニックもサービス業である限り、患者（お客様）が求めているものを提供
することが成長のためには必要です。
木村会計の社員アンケートや歯科医師集団徳真会グループ、その他歯科診療所
が提供しているデータをまとめると、次の患者の要求が浮かび上がりました。
１痛くない治療 ２当日完了（何回も行かない、長く行かない） ３アクセスがよい
４治療及び治療期間の的確な説明 ５親切対応 ６快適環境
人口から見た好立地
人口10万人あたりの歯科医師の数が少ない地域は、新規開業には有利です。厚労
省の平成20年12月現在データで千葉県を見てみますと、人口10万人あたり歯科医
師数は、千葉県平均79.1人です。これに比べ、長柄町12.1人、睦沢町13.2人、神崎
町30.2人が低い。歯科医師は長柄町1人、睦沢町1人、神崎町2人です。これらの
町の人口は平成23年3月末現在で長柄町7,812人、睦沢町7,433人、神崎町6,522
人です。診療所あたりの全国平均人口1,833人に比べ、これらの町の診療所あたり人
口は2倍から3倍程度はありそうです。
以前開業に当たり、人口と歯科医師数をサーチして落下傘開業した歯科医師さんが
いましたが、スタートから順調に行きました。
未開拓マーケット
「歯科医療一般生活者意識調査」（平成23年７月に全国の20〜70代の、歯科医療
従事者を除く１万４千名を対象に行われたもの。今回で４回目の調査）によると、調
査対象者の全体の55%が「歯や口腔に異常を感じている」と答えたが、そのう
ち83.3％は現在未治療の状態で、患者が潜在化する傾向は変わりません。治療を受
けない理由として、「悪いところがないから」（40.2％）、「ひどい状態ではないから」
（22.6％）など、「患者の自己判断で受診していない人が多く含まれていることが推
測される」とした。
このデータから、定期検診からの潜在患者を確保する戦略が見えてきます。
潜在患者を捉える定期検診と歯科衛生士の役割
定期検診の積極的な展開から、潜在患者の早期囲い込みができます。
歯科衛生士は、厚生労働大臣から免許を与えられ、歯科予防処置、歯科診療補助お
よび歯科保健指導等を行う歯科医療職です。年俸は平均で300万円台前半です。現状
で歯科衛生士を定期検診のための専門職として捉えている歯科医院は少ないようで
す。
専門化
歯科の世界も専門特化で成長しているクリニックもあります。その筆頭はインプラ
ントと審美歯科です。ただし、自分の地域の人口がこれらの専門特化した業務に充分
かどうかが判断のポイントです。一般歯科で経営基盤となる患者を確保し、内部留保
で専門歯科を加えていくやり方がリスクも少なく、歯科医院としてトータルの信頼性
も上がり有効です。
何から始めるか
まず、歯科クリニックの現状を顧客満足度の視点で分析します。その結果と歯科医
師としての人生プランをすりあわせて、リスクを考え打てる対策を検討します。方針
が決まったら、実行することです。どんなに素晴らしい対策でも、実施しない限り何
も変わりません。その後はプラン、ドゥー、シー、チェックのサイクルで夢を実現し
ていきます。
経営に関するご相談はいつでもお気軽に担当にお願いします。
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