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7 ・8   −Web2.0で何が変わるか−


July ・August インターネットの世代が代わり、Web2.0の時代に

入るといった記事が、最近目につきます。

 Web2.0とは、梅田望夫著「ウェッブ進化論」(ちくま新書)で

は、「ネット上の不特定多数の人々(や企業)を、受動的なサービス享

受者ではなく、能動的な表現者と認めて積極的に巻き込んでいくため

の技術やサービスの開発姿勢」が本質としています。「道具を人々の手

に行き渡らせるんだ。皆が一緒に働いたり、共有したり、共同したり

できる道具を。「人々は善だ」という信念から始めるんだ。そしてそれ

らが結びついたものも必然的に善に違いない。それで世界が変わるは

ずだ。Web2.0とはそういうことなんだ」という、eベイ創業者

ピエール・オミディヤーの言葉を同書で紹介しています。

 6月26日の日経新聞のWeb2.0特集では、変化を次のように

言っています。今までの10年は閲覧ソフトなどネットの受け手側の

技術革新だったが、今後はサーバー側の技術が進む。異なるサーバー

同士が地図や顧客情報など様々な情報を共有し、ネットのあちら側か

ら必要な情報を次々と提供してくれる。

 Web2.0は、「参加・共有」がキーワードです。前提は性善説。

 Webを通じた共同作業の事例としては、百科事典ウィキペディア

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83

%9A%E3%83%BC%E3%82%B8
 があります。誰もが作成に参加できるので、

既存の権威ある情報のみ受け入れる人には使えません。解説を書いた

人が、その道の権威として認められた人かどうかは解らないのです。

間違ったことを、いい加減に記入する人もいるかも知れません。百科

事典の内容は、全て書く人の自覚にかかっています。自分を客観的視

できる、善意の人がこのシステム成立の前提です。無償の行為の動機

付けは、自己実現と友愛でしょうか。今後、この百科事典が素晴らし

いものになるのか、既存のその道のプロの作った百科事典に及ばない

のか。前者が優れている時、多数の英知の結晶を集めるやり方の魁と

なります。権威というものが変わっていきます。

 ビジネスでは、参加・共有を重視し、ネットのあちら側にデータを

置くセールスフォース・ドットコム社http://www.salesforce.com/jp/

が注目されます。カスタマイズできることが売り物の自社の営業支援

ソフトをASPで提供し、さらに、自社以外のソフトも簡単にそのプラ

ットフォームに搭載できます。顧客は自分の使いたいソフトを自分流

に組み合わせて自由に使えます。ASPですので、いつでもどこでも利

用グループが同じ環境、同じバージョンで使えます。セールスフォー

ス・ドットコムのASP利用価格は、中小零細企業にも使える金額です。

大企業が利用している業務ソフトを零細企業も利用できるようになり

ます。プライバシー保護とセキュリティー問題がクリアーすると、こ

の方向は業務ソフトの主流になると思います。      20060630 




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