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9・10    −衆議院選は日本の分岐点−


September・October 郵政民営化法案が参議院で否決され、衆議院解散総選挙と

なりました。日本の衆議院選挙で初めて、選挙の争点がはっきりしています。


 郵政民営化に争点を絞った小泉首相の戦略勝ちで、産業界を始め世論は小

泉支持です。今の日本は、やっと失われた10年の低迷を脱却しようとして

おり、そのためには、小さな政府、郵政民営化は避けて通れないことは衆目

の一致するところです。郵政民営化法案は、問題を抱えているようですが、

最初の一歩をスタートしないことには始まりません。


 民主党も自民党の反対派も何を見ていたのでしょうか。自民党の反対派は

壊滅するものと予想します。もったいないのは民主党で、小泉政権のいくつ

かの失政から、政権獲得のチャンスでした。政争の具に郵政民営化法案を使

ったのは失敗です。多くの民主党議員が賛成している郵政民営化法案を、小

泉政権を追い込むために党議として反対させたことで、政権の信頼性が揺ら

ぎました。ここを是々非々で対応し、総選挙を迎えていればは大きなチャン

スだったのではと思います。


 フルブライト奨学金の創始者で有名なアメリカのフルブライト元上院議員

は、大統領候補の可能性もありました。氏は、スタート段階ではリベラルで

したが、南部のアーカンソー州からの立候補のためか、途中から、人種隔離

主義者として公民権運動に反対します。大きな政策の一度の変節が、有権者

の信頼を無くさせ、大統領候補にまではなれなかったのではと思います。

 小泉首相は、首相になって以来、郵政民営化を第一に掲げてきました。そ

の首尾一貫性は評価できます。また、ここで郵政民営化が挫折すると、構造

改革自身も頓挫して、時代が逆転しそうです。


 順当なら小泉自民党の勝利ですが、政界は一寸先は闇と言いますから、民

主党や自民党反対派が勝利するかもしれません。そうなると、また経済が停

滞するのではと危惧します。諸外国も日本の選択を注視しています。
                             2005.08.16


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